接遇・おもてなしレター
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病院・クリニックにおける接遇研修の進め方を考える4
接遇研修の進め方3「マナー・接遇のベクトルは相手に」「おもてなしは、マナーの応用スキル」に続き、私たちが接遇研修の基本編でもお伝えしている「第一印象」「身だしなみ」「コミュニケーション(言葉遣い)」についてご紹介させていただきます。
ここから数回にわたり、接遇研修でもお伝えしている、マナー・接遇の基本要素について、簡単にポイントをお伝えしたいと思う。
私たちは病院・クリニック・歯科医院など医療機関で働く職員(スタッフ)を対象に、様々な種類の接遇研修を行っているが、基本編として「相手に好感を与えるためのおもてなし術」から学んで頂くことが多い。「第一印象」に特化した内容なのだが、その中からいくつかご紹介したい。
病院の印象を左右するのは、まぎれもなく職員そのものの印象である。しかし、なかなかそのことを理解し、意識して行動できる職員が育たないことに悩んでいる方も多いのではないだろうか。私たちの研修では、マナーは決して難しいものや堅苦しいものではなく、目の前にいる人への思いやりであり、「相手のため」に必要だと思ったことを表現していくものである、とお伝えしている。
では、あなたや病院の最初の印象はどこで判断されているのか考えたことはあるだろうか。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが打ち出した「メラビアンの法則」によると、初めて会った人の印象を決める要素は、視覚的な要素が55%、聴覚的な要素が38%、話の内容が7%と言われている。
要するに、パッと見、パッと聞きで、あなたが評価され、信頼できるスタッフなのか、病院なのか判断されているということになる。仕事中、初めて会う患者様への声掛けに何秒くらいかけているだろうか?「こんにちは。採血いたしますね。」や「こちらへおかけください」など計っていただくと分かるが大体5秒以内である。その一瞬で評価されていると考えると第一印象は怖いものでもあるが、その一瞬を大切にするだけでも好印象を与えることのできるチャンスであり、磨き甲斐のあるものと言える。
接遇研修では、初めて会った方と自分自身の第一印象について知り、それが職種に適しているイメージであるか考えるワークを実施している。その後、第一印象を構成する要素について、初めて来院された患者様の立場に立ち、何を見てスタッフの印象の良し悪しを判断するのかという点を考察してもらう。
「雰囲気」と答える方が多いのだが、そこから深めて分析してもらい、以下の六要素を引き出す。 ①挨拶②表情(笑顔)③立居振る舞い④態度⑤身だしなみ⑥話し方(敬語)だ。この第一印象を構成する要素の中から、ここでは、指導の課題になることの多い⑤身だしなみと⑥話し方(敬語)について接遇研修で行っている内容の一部をご紹介したいと思う。