接遇・おもてなしレター
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接遇研修を行っても改善効果が見られない理由
外部から接遇講師を招き、全職員が参加する「接遇研修会(勉強会)」やその他の「研修」を企画しても、なかなか改善効果が見られない、というご相談をお受けします。なぜ、接遇研修やその他の研修会を行っても、改善効果が見られないのでしょうか?
「研修」と言っても参加する職員の人数や職種・部門、参加者の接遇レベルによって内容が様々ですが、一般的にイメージされる接遇研修会は、接遇講師が前に立ち、講義を受講する、というものが多いと思われます。
ですが、実は、この「講義を受講する」だけでは、受講者の学びとしてはほとんど頭の中に残らないという研究データがあるのです。
(アメリカ国立訓練研究所の研究:ラーニングピラミッドと呼ばれる「平均学習定着率」を表す調査データより)
この調査によると、「講義を受講する」という学び方だけでは、受講した内容の5%しか受講者の学びとして定着されないとされています。
大きな病院などで行われる「研修会」は、全職員参加や50名以上が参加するなど、参加人数が多くなります。そのため、受講者の人数が多いと、どうしても「講義型」の研修が企画され、実施されることが多いと考えられます。
接遇スキルをはじめ、職員教育や取り組み改善を行いたくても、「講義型の研修」だけでは抜本的に改善されず、研修の効果が見られないのはここにひとつ原因があると考えられなくはないでしょうか。
とは言っても、全職員や院内の各職種スタッフが参加し学びの機会となる「研修」は重要であるはずです。そのため、私たちが「接遇研修会」を実施させていただく場合は、「講義型」ではなく、グループ討論やワークショップ(ロールプレイング)を中心に織り交ぜたカリキュラムを組ませていただきます。
先ほど挙げたラーニングピラミッドの調査データによると、接遇研修でグループ討論やロールプレイングを行った場合には、
と、「講義の受講 5%」と比較すると、学習定着率が飛躍的に向上することが分かります。
75%の「自ら体験・実践する」は限られた時間で行う研修会では限度がありますが、少人数で実施する、部門・職種を限定して開催する、などと工夫を凝らすことで、「体験」の濃度を上げることは可能となるのではないでしょうか。
実施した「研修」が、受講者にとって深い学びとなるためには、デモンストレーションやワークショップを織り交ぜるのが効果的ですが、「研修の効果・教育による改善効果」を求めるのであれば、私たちはそれでは不十分ではないかと考えています。
研修の中身を工夫し、研修の密度を上げることは重要ではありますが、理想としては、現場に戻って、受講した内容を「実践する(自ら体験する)」という密度を濃くする必要があるはずです。
例えば、「接遇研修」であれば、研修の受講者やカリキュラムを工夫し密度の濃い研修にすることに加えて、研修受講後1~2週間後に、接遇講師(または接遇インストラクター)が受講者が働く現場に一緒に入らせていただき、研修で学んだことを実践できているか、というフォローまで行わせていただくことが理想であると考えています。
先ほどのラーニングピラミッドで表される
この機会を接遇研修後に作り、研修で受講した学びを体験・実践することが、企画された接遇研修・教育をより効果的なものにしていくことになるのではないでしょうか。
300床以上の大病院から、地域中核病院、クリニック・歯科医院まで、様々な組織の医療接遇教育に携わらせていただいている弊社では、「接遇研修」を行わせていただく際には、上記のポイントを押さえた上で企画・実施させていただいております。
ワークショップを織り交ぜた接遇研修を企画させていただくことに加え、実際に受講した内容が実践され、定着されているかといった研修後のフォローを行えることも1つの特徴であり、様々な医療機関様からご好評をいただいておりますので、院内でより改善効果のある「接遇教育」を企画されたい場合には、ぜひ企画段階からご相談をいただければ幸いです。
これまでに行わせていただきました医療機関様での実績や事例を交えて、ご要望に合わせたご提案をさせていただきます。