接遇インストラクターの育て方(育成方法)

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接遇研修の進め方8


<接遇インストラクターの育て方(人選のポイント)>

病院内の接遇レベルを向上させる2つの方法のうち、病院内で接遇インストラクターを育成していく方法について具体的に考えていきたい。

接遇インストラクター選びでよくある失敗事例

接遇インストラクターを育てていく上での最大のポイントは、「誰がインストラクターになるか」という点に集約されると言っても過言ではないが、その「人選」のポイントをきちんと押さえられていないケースが非常に多い。

というのも、病院で接遇インストラクターを育成する際に陥りがちな人選方法が、 「ベテランである(勤続年数が長い)」「役職者(リーダー職)である」 といった理由が多いからだ。

だが、「勤務経験が長い」「業務スキルが高い」「部門やチームのリーダーである」といったことと、「正しい接遇スキルを教えて人を育てていくスキル」は別物である。

そのため、せっかく「接遇委員会」を立ち上げ、「接遇インストラクター」を育てていくことを決めたのに、一向に接遇教育が院内に浸透せず、試みが頓挫してしまうことが多い。また、定期的に「接遇勉強会」を開催してはいるものの、その内容が本当に正しく、院内で定着されているかが分からないという問題が多くみられてしまう。

この問題の原因は院内の体制によるものなど複数の要因が考えられるが、果たして、選抜した「接遇インストラクター」が、正しい接遇知識やスキルを持ち、その内容を職員に指導するにふさわしい人材であるだろうか、という点に集約されることが多い。つまり、医療機関内で実施される「接遇教育」および「接遇改善」の試みが持続せず、改善された接遇スキルが定着・浸透しない大きな要因は、接遇インストラクターの選抜にあると私たちは考えている。

患者様満足度を高めるために職員の接遇改善・サービス強化が必要であり、そのために、接遇インストラクターが指導にあたるべきだ、というコンセプトは間違っていない。だが、そのためにはきちんと適正に合った人材を選抜し、「接遇インストラクター」として育成していくことが必要となり、育成方法も大切なポイントではあるが、その前にどのような人材を選抜するか、という点がどれだけ重要であるかということを改めて強調しておきたい。

では、接遇インストラクターを選ぶうえで気をつけなければならない点は何だろうか。

次回からは、どのような人材を「接遇インストラクター」として選抜し、育成していくべきか、そのポイントとステップについてご紹介していきたい。

乾 裕子 先生

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