患者が病院・クリニック(診療所)の受付に期待することとは

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接遇・おもてなしコラム

患者さんが病院・クリニックの受付に期待することとは?


<病院・クリニックの受付が求められることとは?>

受診する診療科目を問わず、来院した患者が最初に訪れる場所、それが受付です。言わば病院やクリニックの「顔」である受付に対して、患者はどのようなことを期待しているのでしょうか?

1.「顔」としての受付

医院の「顔」としての受付

病院やクリニックには、様々な気持ちを抱えた人が来ます。熱があって辛い人、原因は分からないけれどどこか体調が優れない人、検査結果を聞きに来たり、定期検診で訪れたりする人もいますよね。いろいろな思いで来院した患者が最初に接するスタッフ、それが受付です。

人と人が接するとき、第一印象はとても大切です。特に病院は命を預ける場所。ファーストコンタクトから安心や信頼を感じていただくことが求められます。悪化する前に病院へ行ったのに、こんな症状で来ないでというような顔をされた。それでは「顔」としての役割を果たせていません。身なりや表情、声のトーン・・・患者はよく見ています。

「顔」としての役割は、来院したときだけでなく電話での対応も含まれます。電話は顔が見えない分対応が難しいとされています。暗く感情のない声や分かり辛い説明、忙しい時間帯には、あからさまに雑な対応を受けることもあります。これから来院しようと思っていても、電話口での対応が悪いと行きたくありませんよね。いつもより明るいトーンの声を意識し、診療案内や道案内などはマニュアル化する等、より丁寧な対応が必要です。

受付は事務処理をする場所ではありません。この病院・クリニックに来て良かったと思えるような受付対応を期待します。

2.会計担当としての受付

多くの患者が受付と接する機会は、最初の診察券を渡すときと最後の会計のときではないでしょうか。診察や検査を終えて会計をするとき。ここでの印象も、ファーストコンタクトと同様に強く残ります。フルコースのデザートがおいしくなかったとき、それまでの料理がとてもおいしく満足していたとしても、がっかりしますよね。終わり良ければ総て良しという言葉があるほど、去り際の印象は大切なのです。

去り際、つまりは会計時に患者が期待することは、正確な金銭授受のほかにはありません。診療項目など明細書に書かれている内容は多くの患者にとって馴染みのあるものばかりではありません。会計時、具体的な明細内容の相互確認がされないのは病院やクリニックぐらいだと思います。知識のない患者にとって提示された金額が正しいものなのかを判断する方法は、会計担当者に聞くことだけです。特に高額となっている場合や、通常とは違う検査などの項目がある場合には、患者に聞かれなくとも説明してほしいと感じます。

3.理想的な受付とは?

理想的な受付

来院した患者は、十人十色で抱えた気持ちも様々です。そっとしておいてほしい人もいれば、話を聞いてほしい人もいます。とにかく早く帰りたい人に対して、丁寧すぎる対応をするのは逆効果です。とても難しいことですが、一人一人の状況や気持ちに寄り添った声掛けや対応ができることが理想的です。「顔」としても、会計担当としても、受付に期待されることは事務的なものを除きマニュアル化できるものではありません。洞察力や判断力、対応力は実際に経験して初めて身に付くものです。

患者が期待する受付とは:まとめ

いかがでしたか?
病院やクリニックでは、企業の受付やホテルのフロントのような接客のプロを目指すわけではありません。もちろん身だしなみや所作などの一般的なマナースキルも必要ですが、医療機関の受付に重要なことは思いやりの心を体現することです。ポイントは体現するということ。思いは形にして初めて伝わります。患者へのタイミングの良い効果的な声掛け、表情をぜひ学んでいただければ幸いです。

乾 裕子 先生

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